作り方
1.3 作り方の基本
ポップアップの作り方の基本について説明します。
スクラップブッキングにもカードを作る際にも必要になると思われる、作り方の流れや、道具の使い方について記載しました。
作り方の手順
性別や年齢など、人によってやりやすい作り方は違うと思いますので、最低限必要な手順だけ説明します。
1.アイディアを考える
おそらくポップアップを作りたい人は、何かしら実現したいイメージ(猫を動かしたい、矢印の向きを変えたいetc.)があると思いますので、それをどのように形にするか考えます。
手軽なのは、飛び出す絵本やカード、ポップアップの作り方の書籍からしかけを探して、しかけに貼り付けるイラストを変えてみる方法です。
慣れたら本サイトでイメージに合うしかけを探して、1から作り上げるのも楽しいかと思います。しかけの説明ページが増えたら、目的からしかけを検索する「逆引き」機能も用意する予定です。
2.ラフを作成する
ラフとは、大雑把な作品やデザインのことです。
アイディアを考えたら、薄い紙(コピー用紙や広告など)で、実際にしかけを作ってみます。
イラストまで作りこむ必要はなく、しかけが思ったとおりに動くか確かめるために行います。
作ってから取り返しがつかないことにならないように、台紙を折り畳めなかったり、折り畳んだ際に台紙からはみ出さないかも確認します。
3.型紙を作る
型紙とは、作品のパーツが描き込まれた紙のことです。プラモデルのキットのようなもので、正確な寸法が必要です。
ラフをもとに、型紙を作ります。ラフによって、しかけに必要な寸法が分かったはずですので、各パーツを型紙に描き込みます。
組み立ててからだと彩色が難しいため、できればこの時点で色や柄をつけます。
型紙の切り抜き線や折り線をトレーシングペーパーに写し取っておくことで、次回以降簡単に同じ作品を作ることができるようになります。
4.パーツを切り抜く
型紙からパーツを切り抜きます。直線は定規とカッター、曲線ははさみ、細かいパーツはデザインナイフを使うと綺麗に切り抜けます。
5.組み立てる
パーツを型紙通りに折り、のりで貼り付けて、組み立てます。
パーツを貼り付ける際は、台紙の一方に貼り付けてから、台紙を閉じた状態でもう一方を貼り付けると、正しい位置に貼り付けることができます。
すべてのパーツを組み立てたら完成です。
紙の折り方
飛び出すしかけを作るなら、紙を折ることは不可欠です。
折り紙のように道具を使わずに手で折ることはできますが、真っ直ぐ折ることが難しいですし、厚い紙は折った後の縁がデコボコになってしまいます。
そこで、綺麗に紙を折る2種類の方法が知られており、紙の厚さによって使い分けられています。
一つは、切り筋をつけて折る方法です。この方法は、厚紙の場合に使用します。
折りこむ側と逆側(外側、山側)に、折り線に沿ってカッターで筋をつけて折りやすくします。真っ直ぐな線が望ましいので、定規を使用してください。
浅いと効果がなく、深いと穴が空いたり強度が落ちます。
もう一つは、くぼみをつけて折る方法です。この方法は、中程度厚い紙の場合に使用します。
折りこむ側(内側、谷側)に、折り線に沿って圧力をかけてくぼみをつけます。切り筋をつける方法とは逆なので気をつけてください。
先が鋭いと紙を傷つけるので、インクの切れたボールペンが適しています。
三角定規の使い方
三角定規を使った、平行線の描き方について説明します。
1.直角二等辺三角形の定規(A)の、直角を有する一辺で線を描きます。このとき、定規(A)を紙から離さないようにします。
2.線を引いた辺と直角な定規(A)の辺に、もう一方の定規(B)の長い辺を当てます。このとき、線と定規(B)の目盛りが一致するように当てておくと、平行線の間隔が分かります。また、定規(A)に代わって、定規(B)を紙から離さないようにします。
3.定規(A)を定規(B)の長い辺に沿って、平行線を描きたい位置までスライドします。再び、定規(B)に代わって定規(A)を紙から離さないようにします。
4.先に線を描いた定規(A)の同じ辺で直線を描いたら、平行線が完成です。
コンパスの使い方
コンパスと定規を使った、円中心の求め方について説明します。
1.定規を使って円の一部を横切る直線(青)を2本描き、2個の弦を作ります。
2.コンパスを使って直線と円の交点(4箇所)から適当な長さで弧(オレンジ)を描きます。
3.弦ごとに、弧の交点(2箇所)を結ぶ線(緑)を定規で描きます。この線は、先に描いた直線(青)の垂直二等分線です。
4.3で描いた2本の垂直二等分線の交わる点が、円の中心(赤)です。